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経済 : ポケGO大ヒットの裏で進む「もう1つの異変」
投稿者 : 犬山環 投稿日時: 2016-08-23 08:10:42 (153 ヒット)
               2016年08月22日 東洋経済オンライン


各国で社会現象になった『Pok?mon GO』。日本でも、スマートフォン片手にポケモンをゲットする人たちであふれかえるなど、熱狂は続いている。任天堂の株価も一時、急上昇した。「しかし、このゲーム業界にもたらした大きなうねりは、まだ序章でしかありません」というのは、長年、さまざまなゲーム開発に携わってきた大野功二さん。『3Dゲームをおもしろくする技術』の著書もある大野さんに話を聞いた。

■大ヒットのきっかけとなった「インディーゲーム」ブーム

この大きなニュースの裏で、任天堂は個人でのゲーム開発をサポートする「Nintendo Developer Portal」の開設を発表しました。これはゲーム業界では大きなサプライズでした。なぜなら、今までごく限られた法人にのみ許されていた任天堂のゲーム開発が、一般の個人に対しても許されることになったからです。

これまで、任天堂のゲーム機器でゲームを発売するには、ゲームのクオリティを重視するという視点から、ある規模の法人でなければ、そもそもパブリッシャー契約・ディベロッパー契約を結ぶこともできませんでした。また、それらのプロジェクトは、厳重なNDA契約書によって守られ、発売されるまで一般の目に触れることもありません。しかし、AppleのiPhone、GoogleのAndroidなどに代表されるスマートフォンの登場と、ソーシャルゲームの到来により、いよいよ任天堂も、個人開発者たちに門戸を開いて、大きな時代の変化に乗らざるえなくなったのです。

このような個人開発や小規模な会社法人組織によるゲーム開発を「インディーゲーム」と呼びます。音楽業界でも、個人で自主制作してアルバムを作って販売する「インディーレーベル」がありますが、これのゲーム版と言えるでしょう。ただし、その市場規模は大きく異なり、ゲームにおけるインディー開発者・インディー開発会社は、成功すれば世界的大ヒットも夢ではありません。その代名詞となったのが『マインクラフト』です。

『マインクラフト』は、マルクス・ペルソンが開発し、その後、全世界で2000万本を超える大ヒットとなったゲームです。特に子どもに大人気で、お子さんのいる読者であれば、プレイしているところをみたことがあるのではないでしょうか。マルクス・ペルソンが立ち上げたMojang AB社は、最終的にマイクロソフトに買収され、世界的なインディーゲームの成功例として伝説となりました。

また、『Pokémon GO』においても、その前身となった『Ingress』は、Googleの社内スタートアップによって作られたNiantic Labsの開発したゲームです。この『Ingress』とNiantic Labsの関係も、インディーゲーム開発といって過言ではありません。

このように、インディーゲームは、単に「個人開発者が作ったゲーム」という小規模なレベルものではなくなっています。現在、ゲームの世界市場は10兆円を超える規模となっており、インディーゲームは、この市場を大きく揺るがすルーキーとなっているのです。任天堂による「Nintendo Developer Portal」の開設も、この大きな流れのひとつであると言えるでしょう。

インディーゲームのヒットの原動力

なぜ、このような個人ゲーム開発者・小規模ゲーム開発会社が、このような大ヒットを生み出すゲームを作ることができるのでしょうか? そのキーワードは「自由」です。

ビデオゲームの歴史は、まだ40年ほどしかありません。しかし、その市場と技術の成長は著しく、現在ではAAAと呼ばれる大型ゲームを開発するためには、100人単位のスタッフと数十億円の開発費を投入しています。世界で大ヒットを記録したゲーム『グランド・セフト・オートV』では2億6500万ドルの開発費が投入されています。『Destiny』と呼ばれるゲームでは、5億ドルの開発費が投入され、ゲーム開発費の世界1位となりました。どちらも大ヒットし、ビジネスとしても成功しています。

しかし、このような華々しい成功の裏で、膨大な開発費を投入したにもかかわらず、ビジネスとして大失敗したゲームプロジェクトも少なくありません。また、このような大型プロジェクトはリスクも大きいため、内部の開発スタッフは「成功するための努力」以上に、「失敗しないための努力」も強く求められます。そのため大型ゲーム開発プロジェクトにかかわるスタッフたちは、クリエーティビティにおける「自由」を感じることが少ないと思いはじめました。

そこで、2010年ごろから、メジャー開発スタジオから自由を求めてゲーム開発者たちが独立し、「インディーゲーム」の潮流を作りました。また、2010年には、Unity Technologiesが開発したゲームエンジン「Unity 3」の公開によって、高度なプログラム技術が必要とされるゲーム開発の敷居が大幅に下がりました。さらに、Unity Technologiesは「ゲーム開発の民主化」をスローガンとし、Unityエンジンを無料で提供することで、全世界でゲーム開発コミュニティを形成し、ゲーム開発未経験の一般人をゲーム開発者にすることに成功。この流れは、AAAゲームタイトルを支えるEpic Gamesの「Unreal Engine」の無料化にもつながり、現在では、ゲーム開発のスタートアップは、小規模なものなら0円で始められる好環境となったのです。

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